KIKUMIMix 呼ばれなくても飛び出てじゃじゃじゃじゃ~ん

303月/040

電車の荷物

或荷物の小旅行  電車シリーズ第3段です。そこまで暇かちゅー感じですが。暇なんです。ハイ。
 イイ天気だったんデ、余裕ぶっこいて自転車で駅に向かい、時間ギリギリになって駆けこみ乗車したスズキです。余計な汗かきました。
 今日は春休みの関係でしょうかね、大きな荷物を持って長距離移動するヒトの姿が目に付いたデス。そんな車内を眺めつつ、10分ほどして汗が引いた頃。
 カーッって感じの軽い音がして、目の端で何かが動いたのですね。その物体を目で追ってみると、キャスターのついたソフトスーツケースが車内を横切って、ドア脇のおにいちゃんにぶつかったところであった。
 戸惑うおにいちゃん。ナゼなら誰も「すみません」って言って荷物をとりにこないからだ。
 車内にメクバセの嵐が飛び交った。その嵐の結果、どうやらワタシの1つ隣の、大変キモチよく熟睡中のオバサンの荷物であることが判明し、おにいちゃんの手によってオバサンの前に戻された。
 が、オバサン依然熟睡中。
 ここで、車内にわずかに緊張した空気が流れた。
 この荷物、また転がる...。
 誰もがそれを感じたのである。


 そして、そのときは来た!
 ちゅーか、ワタシの方に転がってきたのであった。
 ひえー。
 ここは一発、オバサンに荷物を返却しつつオバサンの肩を叩いて「荷物転がってますよ」って言ってやらねばならんのだろうか。そのときオバサンがスゲー迷惑そうな顔をしたら、その時は如何に!?ちうか、ワタシも結構大量の荷物を持ってるのだが、それは一度置くべきなのか?荷物を置いてるうちにオバサンが気づいたらスゲーカッチョ悪くないか?ううむ。...なんて死ぬ前みたいに思考が大爆発するワタシの前を、カーッと軽く通り過ぎる荷物。
 そして、この位置関係でワタシが手を出すのは不自然じゃないか?と思われるような場所に、荷物は停止した。
 ...気、気まずい。
 まだ微妙に動きそうな気配の荷物。
 ワタシの選んだ道は...。
 寝たフリであった。
 眠くもないのに目を閉じるワタシ。見えない視野で、荷物が立っているおにいちゃんにぶつかったようだ。おにいちゃんは、ワタシの隣のオジサンに「誰の荷物ですか?」と声をかけた。いけ!オジサン!その親切(そう)なおにいちゃんなら、きっとオバサンを起こしてくれるであろう!
 オジサンこたえて曰く「いや、ワタシのじゃないよ」。
 テメー小心者め!おまえホントは誰の荷物か知ってるだろ!
 とか心の中で罵る寝たフリ女。
 電車が傾くたびに、車内の視線が一瞬荷物に集まる。みんな気にしてるなら、誰か返してやれよ!と相変わらず眠れない寝たフリ女。ワタシの向かいの席の3人もワタシに賛同して、寝たフリーズを結成。荷物は寝たフリーズ付近を彷徨した。
 そのうち。
 バタン。
 電車が大きく傾いて、ついに荷物が倒れた。
 その音でオバサンが「あっ」と小さく声をあげて目覚め、倒れてちょうどオバサンの前に取っ手を差し出した形の荷物を急いで引き寄せた1
 倒れた場所がオバサン付近だったので、オバサンはきっと自分の荷物の大冒険には気づいていなかったであろう。
 そんな、ソフトスーツケースの春の日の小さな旅模様であった。

  1. そのとき、小さく笑いが起きた車内。やっぱみんな気にしてたんジャン []
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