饒舌な絵本
以前、おまえうまそうだなちゅー本が気に入ったということを書いておりましたが、その後、このシリーズは「おれはティラノサウルスだ」「きみはほんとうにステキだね」と巻を進めてイタのですよ。ワタシは一回気に入ると「集める」傾向があるんで、三冊とも買い込んでおりまして、本屋で新しい本を見つけたときは、あたりまえのように手にとりました。
その名も『あなたをずっとずっとあいしてる』。
え?なに?親子愛、慈愛、友愛ときて次は恋愛!?マジで?絵本だよ!?
な〜んてドキドキしながら、Aっくんに読んで聞かせる1と、お母さんが子どもを愛してるという意味だったので、とりあえずもごもごすることはなかったです。
まあ、あらすじとしては「ある日、マイアサウラのお母さんが拾ったタマゴはティラノサウルスのタマゴだった。でも、やさしいマイアサウラのお母さんは、自分の子どももティラノサウルスの子どもも分け隔てなく愛してた。ところが、ある日、ティラノサウルスの子どもがほんとうのティラノサウルスに出会って...」そんなところにロケット団2があらわれてさあ大変、って感じか。途中からなんだかわからんが。
まあね、一応、人の子の親として、親子愛を描かれると無条件でちょっと涙腺うるみます。その反面「マイアサウラってやっぱりお母さんのイメージなんだなぁ3」とか冷静なことを考えていたことはナイショ。
いい話ですよ。いい話。ラストでマイアサウラのお母さんが山盛りの赤い実を見つけたときはちょっと泣いちゃいました。本屋で。いい大人が子どもに絵本を読み聞かせながら声が上ずってました。いい話です。マジで。
でもですね。
これ、このシリーズの巻を重ねるごとに気になってたんですが。
ちょっと、語りすぎじゃないでしょうか。
「絵本」って、子どもが絵を見て想像する余地を残しながら、ことば少なく進んでいくモンではないかと思うのですが、かなり深いところまで語っちゃってるんですよ。絵本にしてはかなり文字が多いと思います。
親と子で語り合いながら絵を楽しみたい部分4も、文字になっているので、読み進めるのは簡単なんだけど、せっかく大胆な絵なのにもったいないなぁ、という気がするのですよ。
そういう意味では、この人の本質は小説家なのかもしれないッスね。
まあ、単純な話、あんまり文章が多いと、寝る前に読み聞かせるのが大変なんで、次回作はまた文字を減らしてくれるといいな、と思いつつ。5
- もちろん、名目上はAっくんのために買ってあげるからである。Aっくんもたま〜に「あれ読んで」とか言ってくるから、言い訳は成立しているのである。あ、いや違った。言い訳じゃなかった。 [↩]
- またはばいきんまん [↩]
- ワタシが恐竜にいちばん興味を持っていた頃にマイアサウラの巣が発見されて、子育てする恐竜として一気に有名になったあの頃のことを思い出しながら [↩]
- たとえばこのときティラノサウルスはどんな気持ちなのかな、とか、悲しそうな顔してるね、なんでかな?とかね。 [↩]
- やっぱ買うんだよね、次も [↩]
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