KIKUMIMix 呼ばれなくても飛び出てじゃじゃじゃじゃ~ん

214月/11Off

吸引力の変わらないただ一つのキーボード

それが何のきっかけであったのか、もはや私の中には記憶されていない。
とにかく何かのきっかけがあって、私は立ち上がり、楊枝を手に戻ってきたのだ。その楊枝をおもむろにキーボードのキートップの隙間に差し込む。
そう、キーボードを掃除しようと思い立ったのである。
気になったshiftキーの横の隙間に楊枝を差し込んでスッと撫でるようになぞった時……私は驚愕を禁じ得なかった。
「なんだこれは!?」
いままで普通に使えていたそのキーボードの下に、ホコリと猫の毛とが絶妙に絡み合った怪しいグレーの物体が引っ張り出されてくるなどとは、一体誰が思ったであろうか……!?

てなわけで、まあ、出るわ出るわ、ビックリするほどホコリが出てきたわけですよ。
元々私はキーボードの上に猫が乗ってきて「撫でて」と言われたら「イエッサー!」と喜んで撫でてしまうくらいヘンタイ物事を気にしないタイプなので、キーボードの隙間からは常に猫の毛が生えているような状態ではありました。私のキーボードを見るたびにダンナが「お前もキーボードカバーしろよ」とため息をついていたような気がしますが 1、それはそれ、これはこれ。文字が打ててるんだからいいじゃないかという自己暗示の下、2年ほど放置していたわけですね。
そんな2年分のホコリと猫の毛が絡み合ったアンダー・ザ・キーボード・ワールド。私の想像以上に地下世界は広がっていたらしく、楊枝で掻き出しても掻き出しても、常にホコリと猫の毛が「こんにちは!始めまして。僕、地下世界にいました!」と顔を出す。「こんにちはじゃねえよ!勝手に住みつきやがって!!」と鬼大家がどんどん掻き出して、とうとう横に積み上げた地下世界の住民がふんわりと卓球ボールぐらいの大きさになってしまった。
そういえば、以前勤めていたパソコンショップの店長は、キートップを全部外して水洗いしてたな~と危険なことを思い出しながらちみちみ楊枝を差し込むも、そのうち腕も目も疲れてきて「もういいじゃない。彼らには彼らの世界があるのよ」とか言い出したのだ。むむむっ、大家に逆らうとは裏切り者め!!
とはいうものの、もうおばちゃん四十超えてますからね、目を酷使したらいけません。
というわけで、ちゃらららっちゃら~~~!そ~う~じ~き~~~!
私が楊枝でちまちま掃除してる時は「なんだなんだ、何やってるんだ」と横で覗きこんでいた猫たちが、掃除機の登場とともにパッといなくなる。
心おきなく掃除機にブラシをとりつけてがーがーキーボードを吸ってやった。あんなに掃除したのに、まだ隠れていた地下世界の住民たちが「私は日の当たる場所になんか行きたくないのに!!」と悲鳴を上げながら掃除機に吸いこまれていく。日の当たる場所どころか、お前の行き先はゴミ箱だぁッ!!と鬼大家が猛攻をかける。
……ていうか、ホント、何でこんなにいっぱいゴミが入ってて普通に文字が打てていたのか、そのほうがおかーさんビックリです。キーボードすごいよ。パンタグラフ万歳よ。
ガンガン汚れを吸い取って快適快適、と調子に乗っていたら……
「カラン!カラカラカラカラ……!」
と掃除機から異音が。
さては地下世界の住民の反乱か!?……と思ったら、キートップが1枚剥がれて吸い込まれていました。
吸い込まれていたキーボードには「み」の刻印。……ていうか「N」なんですけどね、あまりの酷使によって既に「N」の文字はすっかり消えて、キートップ自体が何となくへこんじゃってるイワクつきのキートップです。
そうか。さてはこいつ、酷使に耐えきれずにアンダーワールドに造反者を引き入れていたな!?
というわけで、Nの下のパンタグラフに絡みついていた地下世界の住民をガッツリきれいに掃除して、Nのキートップをペコンと戻し、私のキーボードお掃除大作戦は終了したのである。
その終了した直後に猫がやってきて「終わった?終わった?撫でれる?」とキーボードの上で撫でて欲しがったので、ナデナデしてあげたことは内緒だ。

  1. 彼はパソコン購入当初からキーボードカバーを装着している。だけど、カバーをかけた時の「ぺこぺこ」ってキータッチが嫌なんだもん! []
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