KIKUMIMix 呼ばれなくても飛び出てじゃじゃじゃじゃ~ん

69月/112

おにぎりマイラブ

私はおにぎりが好きです。
「40度の熱が出ている時に食べられると思うものは?」「明日地球が滅びると言われた時に食べたいものは?」「これからもう一生その料理しか食べちゃいけないと言われた時に選ぶものは?」
まとめてアンサー、おにぎりです。イエッサー。1

そもそも、お米のゴハンそのものがかなり好きなんですが、それにちょっぴり塩味とかお海苔とか、そういうのがくっついてくる時点でタマランですよ。
実家に住んでいた頃、学校や仕事から帰って来た時にダイニングテーブルに伏せたボウルが置いてあると、一気にテンションが上がったものです。なぜなら、その伏せたボウルの中には90%の確率で残りご飯で作られたおにぎりが置いてあるから!
いまだに、ひょっこり実家を訪れた時にテーブルの上にボウルが伏せてあると、スススと近づいて「かーちゃん、最近どうよ?」とか言いながら勝手に中のおにぎりをもふもふほおばる娘。
母さん、貴女の娘はおにぎり好きに育ったわけで……。

というわけで私にとって、ほとんどのおにぎりは、優劣の差が多少あれども愛しい存在でございます。おにぎりマイラブ。おにぎりフォーエバー。おにぎりへのアガペー。
しかしながら、そんな私もたった1度だけ「このおにぎりはムリ!!」と脂汗を流したおにぎりの思い出があったりするのでございます。
なんか、今日やけにブルーでいろいろ過去の嫌なことを思い出しちゃって、その中でこのおにぎりの味を思い出して一層ブルーになっちゃったので書いてみるw

それは忘れもしない、大学1年か2年だったような気がするなぁ。
大学の長い休みで実家に寄生帰省していた私は、ある日突然、口が開かなくなったのです。2

いま思えば顎関節症なんだけど、私はてっきり顎が外れたのかと思ってとりあえず整形外科へ。顎関節症というのは当時はまだ全然ポピュラーではなく、おっちゃん先生が一応レントゲンは撮ってくれたものの「骨は外れてないねえ、なんか炎症でも起こしたかねぇ?」と首をかしげながら、炎症を抑える薬を出してくれたです。
しかし当然その薬が効くわけもなく、口が開かないままに東京に帰る日になってしまい、取り急ぎそのまま下宿に戻る私。

口が開かないと何が困るって、モノが自由に食べられないのですわ。
なぜかというと、口が開く大きさはほぼ指1本分。すると、お箸で何かをつまんで口に入れようとしても、指の太さ以上のものは入らないのですよ。細長いものとか小さなものならお箸でつまんで隙間に差し込めるけど、それ以上大きなものは、まずつまんだお箸が中に入らない。そして固いものだと噛むと顎が痛いので、フライドポテトとかそんなのも無理。
実家にいる時には優しいお母様が口が開かなくても食べやすいような小さく切った柔らかいものとか、お粥とか、おじいちゃんが好みそうなものをいっぱい作ってくれたわけですが、大都会のコンクリートジャングル東京ではそんな優しい人はおりません。当時の私の主食はキャベツの千切りだったんだけど3 そんな固いものは到底食べられない。
途方にくれながら大学の友達に相談すると、友人は「おにぎりをギュッとつぶして隙間に差し込めばいいんじゃない?」と言うではありませぬか。

おお、おにぎり!さすがおにぎり、口の開かない人間にも愛の手を差し伸べてくれるとは!!
おにぎりが食べられるなら別に無問題だと思って喜んで友人に礼を言うと「じゃあ、明日は私がおにぎり作っていってあげるね!」と天使のようなお言葉。
自分で握るおにぎりはもちろん好きだけど、人に握ってもらったおにぎりはさらに美味しい。ウェルカム、友人!

というわけで、翌日学校に行くと、件の友人がにこにこしながら待っておりました。
どうでもいい話だけど、この友人は背も高くてボンキュッボンで足長くてすごくスタイルがいいのだが、とても残念なか(ry
昼を食べられる場所に移動して、友人が差しだすおにぎりを いただきました。

おにぎりさんをギュッと手で挟んで薄くつぶして、厚さ1センチくらいにして歯の間に差し込む。
もぐもぐ……
ああ、幸せって、おにぎりのことを言うんだな。4
顎が痛いのでそっと噛みながら、もそもそと1つ目を完食。それを見て
「こっちのは私が作ったんだよ」
ともう1つ差しだすスタイル抜群の友人。
「え。さっきのは?」
「さっき食べたのはお母さんが作ったの」
友人の母は、何を思って口の開かない娘の友人のためにおにぎりを握ったんだろうか。
そんなまだ見ぬ友人の母を思い浮かべながら、差しだされたもう一つをぎゅっとつぶして歯の間に差し込む私。
「美味しい?」
「美味しいよ」
てか、なんだこのデートしてるみたいな会話は。スタイルは抜群だけど顔は(ry

もそもそ食べる私を、エサを食べる野良猫を見つめるようなにこにこ顔で見つめ続ける友人の前で2口目をもぐっとした時……。
その瞬間は訪れた。

 

なんじゃこりゃーーーーっ!!!!!`;:゙;`;・(>Д<;)グハァ!!!!

 

控えめに言って、ものすごくまずかったのである。
具として選ばれていたのが何か得体のしれないシイタケや昆布や何かを煮たものらしいんだけど、そのぐにゃっとした食感のコメとの相性の悪さといい、ゴハンと合わせるにはやけに甘いその味といい、ごろっと入っているその具の噛み切れなさといい、 料判別不能の何かの鼻を突きぬける香辛料といい、そこから染み出たタレによってぐちゃぐちゃに溶けかけてどろっとした海苔といい、ゲロマズとはあのことを言うのである。
1回噛むと、ぶわっと鳥肌。
もう1回噛むと、どろっと脂汗。
噛めば噛むほど増えるビスケットかお前はっ!!!

しかし。

目の前には、にこにこと悪気なくほほ笑む優しくてスタイル抜群だけど顔が残念な友人T。
お母さんの作ったおにぎりを喜んで食べておいて、ここでこのおにぎりを食べずにおいたらたぶん泣く。きっと泣く。顔は残念だけどそこまで悪い子じゃないから泣かせたいわけじゃない。そもそも口の開かない友人のためにわざわざおにぎりを作ってきてくれたのに、泣かせちゃいかんだろう。

というわけで、食べましたよ。
一口ごとに鳥肌と脂汗。
一気にかきこんで飲みこんでなかったことにしたいのに、口が開かないからもそもそと1口1口味わって食べなくちゃいけない。
この世の地獄とはあの時間のことを言うのだろうな、と、いまでもときどき思い出して鳥肌が立つ私であります。

ちなみに、これで命の危険を感じた私は、大学からの帰り道にその足で下宿の近所の整形外科を訪れたのです。
そこにはいま思い出してもサイコーにカッコいい若先生がいて、でも若先生もよくわかんなくて「とりあえず、はめ直してみますか」と言われて口に指をつっこまれてギューギュー顎を押されて、何となく顎をはめ直してもらいました。
顎関節症の治療としては最悪の治療をされたわけですが、意外にも口は開くようになり、その後再発の気配なく現在を迎えております。
東京の美男子整形外科医、恐るべし。

 

  1. おにぎり好きが高じて、最近おにぎりの写真を撮り続けております。よろしく。 []
  2. あれ?ひょっとしてこの話って書いたことあったっけ?まあいいや、呼んだことがある人は「おばあちゃん、またですか?」と言いながらもう1回読んでください []
  3. キャベツが安い時期だったのです []
  4. 上京初日は下宿に米がなく、何も食べられなかったのですw []
Comments (2) Trackbacks (0)
  1. 溶けた海苔の下りは泣ける(´;ω;`)

    それにしても、米ってほぼどんなオカズも受け入れ可能な無敵の万能選手だと思ってたけど、この場合、まざってたオカズの味付けにそもそも問題があったの?
    それとも、汁だくがオニギリに向かなかったの?
    スタイル抜群な友人Tさんが残念だったのは、顔だけじゃ無かった悲劇( ̄▽ ̄;;

    • ひょっとしたら郷土料理的な佃煮みたいなもので、一部の人は当たり前のようにご飯と合わせるものなのかもしれない。
      それが私の口に合わなかったということと、汁だくやおにぎりの塩と煮物の味のハーモニーが抜群に合わなかったこととか……とにかく芸術的なまでに高められた不味さだったわけですよ。
      今思えば友人Tはずっと実家で料理なんかしたことないけど、家庭的な子だと思われたくていろいろ奮闘中だった時期のようなきがするので、ひょっとしたら第1号の実験台だったのかもしれないッス……。


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