KIKUMIMix 呼ばれなくても飛び出てじゃじゃじゃじゃ~ん

149月/114

マイホーム・マイブラックホール

ここのところ、我が家に失せ物が続いております。
続いておりますというか、息子が持って歩いてる家の鍵と、寝室の扇風機のリモコンがほぼ同時期になくなりまして、ほとほと困り果てております。
どちらも最後に目撃されたのは寝室ですので寝室にある可能性が大なのですが、相当探しても見つからない。あとはダブルベッドのマットレスを上げて、ベッドの下の板を外して中に潜り込んでないかどうか調べる他に調べる場所もないのですが 、それをやるとなると相当大掛かりなため、脳みそは「これはあれだ、寝室にブラックホールが出現したんだ。しばらく待てばきっとホワイトホールが出現してどこかから出てくるに違いない」と判断し始めております。1

そういえば、小さな頃は、私の部屋は母から「ブラックホール」と呼ばれたものでした。
今でこそ息子に対して偉そうに「いつも片付けないからなくなっちゃうんだよ!!」と言っているワタクシですが、小さな頃は「片付けも掃除も大嫌い」とナイフみたいに尖っては触るものみな押入れに隠してたもんです。
そんな私のマイホームブラックホールは主に「押入れ」だったのですが、それを悲観視した母が、ある日一計を案じてきた。
「あんたの部屋は汚いから、ベッドを置くのをやめて、押入れの中に布団を敷いて寝たらどうか。ドラえもんみたいで面白いのではないか、娘よ」
と提案してきたのである。
お、お、お、押入れに寝泊まり!?
この提案をされて目がキラーンと光らない子どもがいたら、ちょっと押入れに閉じ込めたほうがいい。子どもにとって押入れの世界というのはまさに一国一城の主となれる可能性を秘めた王国であり、その押入れ王国で寝泊まりしていいと親に許可されるなど一大事。気が変わらないうちに今すぐにでも布団を運び込んでしまいたい!と鼻息荒くもなるというものだ。
そして母の思惑通り鼻息荒くなった娘1号は、慌てて押入れの中から放り込んだ自分の荷物を掘り出し、取り急ぎなんとなく片付けて、押入れの中に王国を築いたのであった。2

そのようにして押入れにモノを押し込む手段を禁じられた私は徐々に片付けられる女になっていったのだが、第2のブラックホールがまだ残っていた。
そのブラックホールが吸い込むのは、主にこっそり持ち帰ってきた給食の残飯であった。
今でこそ給食で食べられないものがあったら先生に申し出れば残していいとか、友達と交換して良いとか緩い感じになっているが、私が子供の頃は、当然「給食を残すとは何事か!」という時代であった。私はどうしても食べられないものがあるわけではなかったのだが、食べたくないものを積極的に食べるタイプでもなかった。小さな頃から小狡かった私は、パンや何か積極的に食べたくはない汁物ではないものを人目を避けてそっと隠すコトには長けており、たいていは給食袋に怪しい膨らみを忍ばせつつ帰宅することになるのであった。
しかし帰宅したからといって、無造作にゴミ箱に捨てれば母に発見されてお小言を食らうことは必至。
そして私は考えた。ゴミ箱以外の場所にこれを処理しなければ……そう、それが第2ブラックホール。またの名を「裏の田んぼ」であった。

当時の我が家は田んぼの一部を盛り土して宅地にしたような場所にあり、要するに2階の窓からポンとモノをほうり投げれば田んぼに落ちるという状況であった。
夏ともなれば水田で元気いっぱいカエルが鳴くため、大学の頃に東京の友達が電話をかけてきて、私の声のバックグラウンドがカエルの合唱だと大ウケして15分以上笑い続けた挙句、用件を忘れて電話を切ってしまったこともあるくらいだ。
子ども心には「田んぼには水が張ってあるしこれだけカエルもいるんだし、パンを投げ捨てたらいつの間にかふにゃふにゃに分解されてカエルや魚が食べつくしてくれるだろう」と思っていたのである。
今考えてみれば、当時の私はたぶん、田んぼが毎日手入れされているという事実も理解しておらず、なんとなく田植えをして、実がなったら刈り取りをするくらいにしか考えてなかったのだろう。実がなる前までに頑張って食べとけよ、カエル!と思いつつ、餌をやる感覚で毎日のようにゴミを捨てていたわけである。

そんな私の第2ブラックホールが白日の下にさらされたのは、田んぼの持ち主からの抗議であった。

実は私、裏の田んぼの持ち主は私の祖父だと思っていたのですよ。だから万が一のことがあっても「おじいちゃんごめん!(∀`*ゞ)テヘッ」て言えばいいかな程度に思っていたんだけど、実は違っておりまして、その人から正式に我が家に抗議が入ったのですね。
ええ、当たり前です。
寝耳に水の抗議を受けたマイマザーは、当然帰宅した私を踏ん捕まえて「あんた、田んぼに何捨ててんの!!!」と怒る怒る。
ええ、当たり前ですw
おじさんが毎日私が投げ捨てたゴミを拾って捨て直している、そんなゴミがいっぱいあったら用水に詰まって田んぼがダメになる、その他もろもろドカーンと教えられて怒られまして、私も泣いて謝って2度としないことを誓い、私の第2ブラックホールは閉じられたのであります。

しかし怒った田んぼの主は、それ以来田んぼに落ちているゴミを全部我が家の敷地にポイポイ置いていくようになってしまった。どう考えても子どもが捨てるはずのない経済新聞とかまで我が家の裏庭にポイと置かれておりまして、それを見るたびに、私は自分の犯した過去のアヤマチを突きつけられる日々を過ごしたのでありました。

そういうわけで、ちびっ子の諸君!自分の家にはブラックホールを作っちゃダメだゾ☆彡

 

  1. 鍵がなくなったのはちと怖いのですが、一緒に寝室の扇風機のリモコンがなくなっているというのがちょっぴり心の拠り所。外での心当たりは探し尽くしたし、いまはリモコンと一緒に身を寄せ合って救助を待っていてくれることを祈る。 []
  2. その後この押入れ王国は、母の計らいによってなんと少し拡張されて足が伸ばせるくらいになり、その上窓まで取り付けて壁も貼ってもらって、本気の押入れ王国になって、多くの友人を羨ましがらせたのであった。 []
Comments (4) Trackbacks (0)
  1. 駄文書きました: マイホーム・マイブラックホール http://t.co/4JCKfH2

  2. 大爆笑ものですわ〜〜 私も押し入れに寝ていた時期がありましたよ。RT @kikumimic: 駄文書きました: マイホーム・マイブラックホール http://t.co/aXCWLQJ

  3. 愉しく読ませてもらいました@深夜帰宅ちうの電車内
    わたしも、もともとものすごく掃除&整理整頓が苦手なタイプ。
    なのだけど、ある事をきっかけにそれが改善されました。何かというか、超綺麗好きな女友達と同居した事。
    最初はだらしない事をチクチク言われ、ストレスに感じてたんだけど、いつしか見返したい気持ちに変わり、気を使うようになりました。

    しかし、田んぼに投げられる環境って凄い!
    田んぼに投下されたパンが溶けているようすが目に浮かびましたよ(^^)

    鍵は、見つかるといいですな(;´Д`)ちと心配だ~

    • 「見返したい」という気持ちをもって整理整頓を心がけて達成したら、気持ちがいいだろうな~。
      自分と一緒に暮らす人が自分の整理整頓ペーストあわないとイライラするのは確かだけど、
      ずっと嫌味を言うのも面倒なので放っといちゃう(今それw)
      お友達はずっとチクチク言い続けて、ある意味功労賞ですな!(笑)

      あ、鍵見つかりました!なんとベランダのハンガーに干されてましたよ!(息子の仕業w)

  4. 小学生時代は、毎年毎年、年に10cmも背が伸びた上に、運動量が半端なかったので、
    給食残すなんて有り得ないどころか、おかわり常連の欠食児童だったが、
    余ったパンをもらって、帰りの道々、出会う犬や猫や鳥や、
    田んぼや池の魚やカメやザロガニの餌付けに使ったのを思い出したわ^^
    昭和の昔は、他所の犬や猫にモノ食わせても大丈夫だったんだよなぁ。
    そして子供も水辺に行けた。
    きくみんも、まるごと捨てずに、千切って鳩にでも食わせれば良かったのに!^^

    押入れベッドは憧れだねぇ。
    でも、普通のサイズじゃ体伸ばして寝るには子供でもちょっと長さが足りなかったなぁ。
    てゆか、今でも寝台と日用品を日中壁に完全に収納出来るってステキだわー。
    部屋に凸凹があるのが大嫌いなの。
    スッキリした空間が好きなのに、相変わらず、ゴミと一緒に暮らしてるよ(´;ω;`)
    私は逆に、中学生くらいまでは、片付けられる女だったのに。不思議なことだ。
    そろそろ秋の大掃除を始めようかと^^

    • いまは、田んぼで遊んだりするとどこからともなくそれが学校にチクられて、
      翌日の帰りの会で吊るし上げられたりするらしいっすよ。
      世知辛い世の中よのぅ。
      私はパンをまるごと持って帰ってたので、全部食べてくれる鳩がいなかったです(´・ω・`)

      押入れベッドはちょうど北向の壁に側面がくっついていたので、母の計らいで30センチほど飛び出した部分を作ってくれて、
      成長期でも足をのびのび伸ばして寝れたのよ~。しかも窓付き。出窓のある押入れw

      我が家は男子どもの基地周辺がカオスになっていて、すごく困ってる(´ω`)トホー


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