KIKUMIMix 呼ばれなくても飛び出てじゃじゃじゃじゃ~ん

209月/112

暗闇にひそむもの

最近すっかりひきこもりチックな毎日を過ごしているワ・タ・シ。
先日も家の中でひきこもって暮らしておりましたら、夜の10時過ぎに帰宅したダンナが明日急遽お金が必要だとおっしゃるので、慌ててコンビニへお金をおろしに参りました。
ところがその日はよく考えたら世間様は花の金曜日というヤツでして、駅前にある我が家を一歩出た途端に何やら街が色めいているわけですよ。
駅から伸びるメインストリートのあちこちにキャッキャウフフと見を寄せ合う男女がいてみたり、よくわかんないけど勘定待ちでもしてるのか店の前にジャマにタムロってる若者集団がいてみたり、大きな交差点には明らかに客引きと思われるホスト系のにーちゃんが通りがかる女性を値踏みしてたりするわけです。まあ、サザエさんよりひどいTシャツ短パンで走り抜けたおばさんはガンチューになかったようですけどね。

しかし、私はそもそも彼らが不躾にヒトをジロジロ見る行為自体があまり好きではないので、帰りは別の道を選びまして、裏の道へ裏の道へと自転車を漕ぎ入ったわけです。
すると所詮は田舎の商店街、一本道を入るだけで驚くばかりの暗さ。
この暗さ……覚えがある。

あれはまだワタクシが20代の頃。
一応県庁所在市ではあったものの、まだ開発途上の駅の南口から下る大きな道路を徒歩で15分ほど歩く場所に私は勤めておりました。
そこは家庭教師派遣会社で、高い教材をローンで買わせて、その代わりに家庭教師を安い値段で派遣するという、まあ一歩間違えれば詐欺まがいの会社だったのだけど、そこで詐欺にならないように踏みとどまらせるための家庭教師の手配と教育のお仕事をしていたのである。仕事の内容が、家庭教師希望の大学生や社会人と連絡をとりあったり会社に呼んで話をしたりというものなので、どうしても夕方以降が仕事本番になる。そのため午後1時~9時が定時の仕事時間という、優雅なんだか馬車馬なんだかよく分からない会社であった。

家庭教師を安い値段で派遣するわけだから、当然家庭教師に払えるお金もちょっぴり他の会社に引けを取る感じであって、正直、家庭教師探しは難航することが多かったっす。そのため帰宅時間が終電間際になることもよくあったですね。
最初の頃は私と同じ方向に住んでいる優しい営業さんが送ってくれたりしたのですが、彼が社内結婚した事務の女性がその行為をお気に召さなかったらしく、家庭内不和に発展してしまうよく分からない修羅場1。そうなると、送ってくれるという優しい言葉も断らざるをえないので、夜12時近い終電に間にあうように、駅に向かって15分くらい歩くことになるわけであります。

さすがに発展途上とは、いえメインストリートとなる駅から真っ直ぐの道は広く、明るく、それなりににぎやかなので問題ないのです。
問題があったのは、私の過去のほうだった(笑)

実は私、その通りの途中にある大学受験対策学習塾を、たったの1年で、しかもちょっぴりヤンチャな感じで辞めていたのである。テヘッ!
要するに、前を通りたくないのよ。
しかも敵もさるもの、学習塾であるから夜中まで煌々と電気がついており、しかも1F正面はガラス張りで中が丸見え&中から外も丸見え。見覚えのあるヤクザ風の常務がタバコふかしながら座っているのも何度も見かけておりまして、できればそこの前は通りたくない……というわけで、私はどうしても迂回路を通らねばならなかったのです。

迂回路は東回りと西回りの2手があり、西回りの方が多少明るいけれども、少し駅からの距離が離れて回り道度が高くなる。東回りは回り道度は低いけど、正直該当も殆ど無くて真っ暗な道。
普通、お年頃の女子としては西回りを選ぶんだろうけど、こちらも12時近くまで働いてヘトヘトである。回り道する足取りは重く、だんだんと東廻りを選ぶ日が多くなってきた。
……そんなある日のことであった。

東回り通路は、当然ながらほとんどヒトが通らない。どちらかというとビルとビルの間の通り道じゃね?くらいの狭い道路で、ヒトとはすれ違ったことがなかった。私もヒトはいないものと思って思いっきり気を抜いてとぼとぼ歩いていた。
ところが。

「すみません!」

と、いきなりハキハキと後ろから声をかけられたのである。

気を抜いていたのと、仕事が終わって疲れており、しかも終わったといっても解決して終わったわけじゃなく「明日どうしようかな」という課題を抱えて悶々として歩いていたところでもあったので、一瞬頭が回らなかった。
振り返ると、大学生ぐらいの……暗くてよく見えないけど、たぶんまあそれなりのご面相の男性が立っておりまして、
「すみません、時計がなくて困ってるんですが、いま何時頃ですか?」
と聞かれるわけですよ。
「ああ、はいはい、えっとですね……」
慌てて時計を見るものの2暗くてよくわからない。少しでも明かりのあるところに一生懸命腕をかざして文字盤を確認し、「11時06分ですかね」などと時間を教えて差し上げる。
すると男性は、
「あ、ありがとうございます。今、帰りなんですか?」
とか聞いてくる。
こ、これは……いわゆるナンパというやつではないのか!?
年頃の女子として一瞬にして閃いた。
ピーポーピーポー!ナンパです!ナンパです!!
脳内警報がうるさく鳴り響く。
「や、はい、ええ、まあ、帰りです。アハハ」
すると彼は更に重ねて聞く。

「お姉さん、お酒は好きですか?」

警報!警報!ただいま、ナンパ警戒警報が発令されました!該当地域の年頃の女子は十分ご注意ください!!
脳内警戒警報はますます勢いを増すばかりだが、そこは年頃の娘、
「ええ、まあ、はい、好きですけどそろそろ行かないと電車が……」
なんてゴニョゴニョ。
それに対して、断っているのが分からないのか、あるいはよっぽど私に惚れているのか(笑)、彼は間を置かずに聞くのである。
「じゃあ、お姉さん、こんなのは好きですか?」

「は?こんなのって……?」
年頃の娘としてちょっと斜め横なんか見てた私、言われて彼の方を見ると……。

コートの前がバサーッと広げられており、どうやらその下は彼は全裸のようであったわけでございましてありおりはべりいまそかり。
ナンパ警戒警報どころか露出魔出現~~~!!!ピーポーピーポー!!!
もう脳内警戒警報が処理しきれなくてわけの分かんない警報だけを送り続ける中、ワタワタと目をそらし、アタフタと
「いや、あの、その、好きというかですね、私よく分からないのでこれにて失礼致します!」
と 声が上ずらないように注意して390度のお辞儀をしてその場を失礼したのであった。
幸いなことに、彼は追っては来なかったのだが、数歩歩いたところで

「お姉さん!」

と声をかけられた。そしてさらに、

「ありがとう!やさしいね!!」

と声が追いかけてきたのである。
誰も通りがからない暗闇の中で、コート1枚着ただけの局部丸出しの男性から「やさしいね」と言われて、年頃の娘は一体何と答えればよかったのであろうか?
さすがに私もそれに答える術はなく、アタフタとそのまま歩き去るしかなかったのであった。

あの時、一体何と答えるのが正解だったのだろうか。
その答えが、地元の1本奥のあの暗がりの中に潜んでいるのでしょうかね。

 

  1. しかも後日談ですが、結局この時の家庭内不和が引きずりに引きずられて、結局その事務女性は習いに行っていたカルチャースクールのテニスのコーチと駆け落ちしてしまって離婚してしまったという、嫌な話も聞いてしまった(;´д`)トホホ… []
  2. 当時、まだ携帯電話はショルダーバッグサイズでございまして、一般人が持ってるものではありませんでしたw []
  3. 慌てたり悲鳴を上げたりして襲いかかってこられると困ると思っていたのと、ちょっとオトナとして振舞いたいお年頃だから「こんなのなんでもないわよ」という振りをしたかったからw []
Comments (2) Trackbacks (0)
  1. 駄文書きました: 暗闇にひそむもの http://t.co/EP5HcPGf

  2. 女の子ってふたり以上つるんでると、こういう状況でも結構ゲラで済んじゃうけど、
    ひとりはキツイね(@_@;)
    こういう時、脊髄反射で破壊力の大きな技繰り出せる脳に憧れる。
    今なら、なんと答えますか?(´∀`*)ウフフ

    それにしてもカルチャーのテニススクールのコーチと駆け落ちて、
    それどこの昼ドラ状態…( ̄▽ ̄;;

    • よく「小さい」と言うとダメージを与えられるという話を聞くけど、出来ればもっと肩透かし食らわす系の、出した方も「(´゚ c_,゚`)プッ」て笑っちゃうようなウィットに富んだ答えをしたいな……と思ってしまうので、結局今でも答えられないかもしれない。

      カルチャースクールのテニスコーチとの駆け落ち、私も話を聞いたときはビックリしたわ~。
      特に、私の見る限りは彼女のほうがベタボレ状態だったので、一体何があったのかと頭真っ白になったわ(´ω`)


コメントをキャンセル

Spam Protection by WP-SpamFree

Trackbacks are disabled.